2009-02-08
著者のB・フェイガン氏は、何が言いたいのだろうか?
この本の中で、何度か繰り返し表現されていることがある。
それを、要約すると次のようになると思う。
「現在の人類とその社会は、大きな気候変動に対して脆弱になってしまっている。」
近代において、人類はさまざまな技術を用いて環境の整備をしてきている。
洪水を防ぐために堤防を築くことに始まり、気象衛星による気象観測など、さまざまな対策をしているが、それは”小さな気候変動”への対応に過ぎない、というのだ。
また、人類がまだ狩猟・採集民族であったころや、農耕を始めて間もない頃であれば、たとえ大きな気候変動があったとしても、”移動(移住)”することで、対応することができた、と。
現在では、人口が増えすぎて、移動する先が無い、ということだ。
言っていることは、よく分かる。
しかし、それに対して我々が何をすべきかは言及していない。
そこまで言及することは、この本の主旨ではないのだろう。
最近、世間で言われる”環境対策”の類を行えば良い、という訳でも無さそうだ。
もちろん、それらも大事だろうが、根本的な問題解決にはならないと、言いたいように見える。
人類が狩猟・採集社会に戻ればよいと言いたいのか、などと考えるのも、もちろん論外であろう。(地球自体や、自然にとっては、最も良いことかも・・・。)
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