地名の由来を縄文語(アイヌ語)で考える「平潟(北茨城市)」A・・・平らな波の入江?
2009-04-09


前回、「平潟」という地名を、漢字の意味で考えると、その地理にそぐわない、と書きましたが、そのことについては、次のように説明しています。
(『縄文語の発掘』鈴木 健著より)

まず、「平」と、「潟」を、『広辞林』で調べています。

「ひら(平) (一)平らなとこ。平らな所。」
「かた(潟) (一)潟湖(せきこ)。 
        (二)遠浅の海岸で、満潮に隠れ干潮に現われる所。ひがた。
        (三)(関西方言)浦。湾。「松浦−」。」

また、『角川地名茨城』の「平潟漁港」では、
「三方が台地に囲まれ集落が密集する。湾口が北東に向く県北端の天然の良港、地名は波の平らな静かな入江を意味する。」と。

これに対して、「平らな波」に疑問を抱きつつ、「潟」を関西方言である(三)の浦(入江)と解釈していることに、無理があると指摘しています。

そして、鈴木氏から見た「平潟」の地形には、「平ら」という言葉の持つイメージには縁遠く、「三方が台地に囲まれ」起伏に富んだ崖が入り組み海に迫る景観があるのみ、と言っています。

以上のように、地名の由来は日本語(漢字)ではなく、「平」「潟」という漢字は当て字であって、元々は「ひらかた」または、それに近い発音で呼ばれていた地名であろう、という結論です。

しかし、「平潟」のことを、「ひらかた」と読める字(漢字)で書き記した古い文献があれば良いのでしょうが、それは見当たらないようなので、「ひらかた」と同じように考えることができる(と思われる)、全国の地名を取り上げることにより、上記の結論を補っています。が、それは、また次回に・・・。
[日本語]
[縄文語/弥生語]
[アイヌ語]

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