『日本人の起源 古人骨からルーツを探る』@−古人骨について幅広く書かれているのがこれ
2009-05-02


先日まで、数回に渡って考えてきた”人骨”の問題ですが、『縄文人と「弥生人」古人骨の事件簿』(片山一道:昭和堂)を見る限りでは、何とも歯切れの悪いまとめ方しかできませんでした。

そこで、以前読んでいたのですが、ここで紹介していない本を、少し読み返して見たのです。
『日本人の起源 古人骨からルーツを探る』(中橋孝博:講談社選書メチエ)です。
とても興味深い内容が書かれているので、ここでも取り上げたいと思ってはいたのですが、きっかけを逃していたというか、どこから切り込んで良いのか分からずにいたので、そのままになっていました。

片山氏の『縄文人と・・・』では、はっきりしなかった部分について、もう少し進展のあるまとめかたができると思います。
この本の中で、もっとも特徴的と思えるのは、弥生時代の後半になって、渡来人の特徴を持つ人骨が多数を占める理由を、混血を考慮した人口シミュレーションによって説明しているところです。

その内容については、後々にまとめていきたいと思いますが、その前に少し寄り道をしようかと思います。

この本の第四章に、「日本人起源論−その論争史」と題した、日本人の起源論の移り変わりの歴史を、簡単にまとめたものがあります。
読み返して見ると、これがなかなか面白いもので、今では当たり前だと思っている説についても、冷静に見直すことができます。

ごくごく簡単にまとめるつもりではありますが、少し長くなりそうなので、合間合間に少しずつ、進めて行こうかと思っています。
[日本人の起源]
[人骨]

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