『世界一受けたい授業』−DNAでわかる自分のルーツ
2010-07-10


 普段、それ程テレビは見ないのですが、たまたま見ていた『世界一受けたい授業』(日テレ)で、面白いことをやっていました。
 出演者のミトコンドリアDNAを解析して、そのハプログループからルーツを探る、というものです。
 解説には『日本人になった祖先たち』(NHKブックス)でお馴染み?の篠田謙一氏が出演しており、その分野の第一人者であることが良く分かります。

 番組では、出演者10人くらいのミトコンドリアDNAを、個別に解析していたくらいなので、比較的簡単に(安価に)解析ができるようになったのでしょうか。
 いずれは、血液型を調べるのと同じように、誰もがミトコンドリアDNAのハプログループを調べられるようになるのかもしれません。
 個人的には、ぜひとも調べたいものです。

 さて、番組の内容の方は、『日本人になった祖先たち』などを読んだことがあれば、理解に苦しむことは無いと思うのですが、予備知識がないと、分かりづらかったかもしれません。
 もっとも、基礎的なことから説明していたら、1番組の1コーナーだけでは済みそうもありません。

 逆に言えば、『日本人になった祖先たち』などの内容からみて、特別目新しい内容ではなかったともいえます。
 新鮮だったのは、出演者一人一人のハプログループについて、それぞれルーツを解説していたので「顔が見える」とでも言えば良いのでしょうか、いかにもテレビ的な分かりやすさはあったと思います。

 番組の中で篠田氏は、出演者の一人を「縄文系」、別の一人を「弥生系」といった、区別をする表現がありました。
 やはり、篠田氏には、「縄文時代から日本列島に住んでいた人たち」と、「大陸(朝鮮半島)からやってきて、弥生時代を築いた人たち」との区別があるようです。

 長浜氏の『日本人ルーツの謎を解く』を読んでからは、こういった定説的な考えには、どうも違和感を感じてしまうのですが、最新のDNA研究においても、その定説は変わらないのでしょうか。

 弥生時代以降に渡来した人たちにも、同じハプログループの人たちが多くいたのではないかと思うのですが、その区別は付くのでしょうか?
 縄文晩期であれ、弥生、古墳、飛鳥、平安・・・と、どの時代に渡来したのであっても、ハプログループだけからでは、同じように見えるのではないでしょうか。
 どうしても、形質人類学などによる古くからの定説に縛られ、それに符合するようにDNAを解釈しているようにも思えるのですが・・・。

(おまけ)
 篠田氏は、本当に愚直な方ですね。
 出演者のボケがまったく通じていませんでした。
 望む訳ではありませんが「テレビうけ」するタイプではありませんね。あんまり出演依頼は来ないかも・・・。
[日本人の起源]

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